『光に包まれて』
私は、光のなかにいた。
誰かが私を見つめている。
その視線は、触れず、問わず、
ただ、私の輪郭をなぞっていた。
私は語ることができない。
けれど、その眼差しが届くたび、
私の奥に眠る微かな震えが、
静かに、確かに、揺れた。
私は、かつて水のなかにいた。
流れに身を任せ、
光を集め、
ただ生きていた。
その記憶はもう遠く、
私の表面に残るのは、
光の痕跡だけ。
それでも、今、
誰かが私を見つめている。
その眼差しは、
私が生きていたことを知らなくても、
私が美しかったことを感じている。
それだけで、
私は、もう一度
光のなかに還ることができる。
私は、何も語らない。
ただ、見つめられることのなかに、
静かな歓びを宿している。