『木漏れ日の歓びたち』
木々の隙間からこぼれる光は、
もうこの世にいないものたちの
歓びの残響。
誰かが笑った場所。
誰かが踊った午後。
誰かが、ただそこにいたというだけで
世界が少しだけ優しくなった瞬間。
木漏れ日は、
そのすべてを覚えている。
葉の揺れに合わせて、
歓びの粒が舞い降りる。
それは、
声ではない。
記憶でもない。
ただ、
光のかたちをした感情。
触れれば、
肌が温かくなる。
理由はわからない。
けれど、
心が静かにほどけていく。
木漏れ日は、
もう存在しないものたちが
世界に残した「よろこびの気配」。
誰かがそれに気づけば、
その気配はまた、
新しい光となって
次の葉の隙間に宿る。